「Q&A火山噴火」に寄せられた意見集
「Q&A火山噴火」がブルーバックス(講談社)から2001年4月に出版されました。
この内容について御意見がありましたら日本火山学会までお寄せ下さい。
解説表
Q15 (39ページ)
「しかし現在、浅間山の登山規制が緩和され、前掛山までの登山が許されています。」
(説明)本書出版当初には,前掛山までの登山許可が一時は検討されましたが,まだ登山規制は緩和されていませんでした(回答#215を参考にして下さい).しかしその後,2001年7月23日から火口から500メートルの外輪山・前掛山までの入山が可能になりました.
正誤表
Q68(137ページ)
気象庁の常時観測対象火山として「14.恵山」が入っていますが,その2つ上の「12.有珠山」の間違いです.
Q7(22ページ)
北海道駒ヶ岳の写真提供者は「吉本充宏」さんです.
寄せられた意見や感想
- p.46 「大陸の縁が割れて海洋プレート側に移動し,日本列島のような島弧ができることがあります」とのことですが,島弧には大陸地殻を持たないものも多く,海洋プレート上に形成されたものも多いと思います.この文の直後に,「海洋プレートの下に別の海洋プレートが沈み込む場合も,そこに伊豆諸島のような島弧ができます」という一文を.(A.I.
5/10/01)
- p.
166のQ83の花崗岩の話は,「ふるさとの火山について教えて!」という章の中にあると,何か唐突な感じがします.「御影石」は石材であり,「火山の恵み」の一つですから,p.187あたりにもっていった方がよかったと思います.(A.I.
5/10/01)
- p. 172,
1行目.「52〜54パーセントの玄武岩グループと,67パーセントの流紋岩グループ」とありますが,109ページには「デイサイト(62〜70パーセント)」とはっきり書かれており,113ページでは有珠の69%の溶岩をデイサイトとしています.172ページの場合は,「玄武岩」「流紋岩」のようにカッコ付きにするか,流紋岩をデイサイトに改めるべきでしょう.また同ページ4行目に「阿蘇の溶岩は桜島のそれに比べて粘性が低い」とありますが,阿蘇に「玄武岩」と「流紋岩」の両方が出ているのなら,一概に「低い」とは言えないと思います.(A.I.
5/10/01)
- p.187の「火山の恵み」で「軽石」のことが最後に出ていますが,溶岩や凝灰岩そのものも,例えば鉄平石や大谷石のような「石材」としてよく利用されています.それから,円錐形の美しい山体や火口湖など,「観光資源」としても非常に重要だと思います.(A.I.
5/10/01)
- p.
192の答えは,「伊豆半島になぜ温泉が多いか」という質問の答えになっていないと思います.太平洋プレートがフィリピン海プレートの下にもぐりこんでいる場所は,例えば伊豆諸島も同じ状況で,伊豆諸島には火山もたくさんありますが,温泉はあまりありません.「温泉の数」には,火山の侵食の程度や,火山の基盤が陸上に露出していること,東京に近い地理的,社会的条件などが大きく効いていると思います.「火山が多いから温泉も多い」と言うのなら,同ページの「温泉マップ」に火山の位置も示し,他の「温泉の少ない」火山地域と比べながら述べてほしかったと思います.そもそも,伊豆の温泉は,全部が「火山」に関係したものでしょうか.基盤のグリーンタフに関係したものも多いのではないかと思います.グリーンタフ地域にも温泉は多いです.(A.I.
5/10/01)
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