火山についてのQ&A |
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Question #4187 | |
Q |
来年センター試験の地学を受ける者です。岩床、岩脈、溶岩、バソリスが、火山岩だという参考書もあるし深成岩だという参考書もあります。それぞれどちらなのでしょうか?教えてください
(08/27/03)
ぐり:学生:18 |
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A |
岩床、岩脈、バソリスは形状で呼ばれるものですが、溶岩は違います。溶岩は地表や地表付近にあるマグマのことで、溶けた状態のものも固まった状態のも のも「溶岩」と呼びます。 火成岩としての岩床と岩脈も地下に貫入したマグマ(溶岩)が固まったものです。バソリスとは、地下深部(深さ3キロ以下程度)で固まった巨大なマグマ の塊まりであったものが、現在は地上に露出しているものをいいます。一般に分布の面積が百平方キロ以上のものを指します。 深成岩と火山岩はそれぞれ地下深部と地上で固まったマグマを指します。火山岩の場合はそれから飛散したり、再移動したものも含みます。火山岩と深成岩 の中間的な性質をもつものを半深成岩と呼びます。つまり地上と地下深部(3キロ程度)との間で固まったものです。深成岩、半深成岩、火山岩は、もともと は、地上に露出する岩石について、ガラスの有無や結晶の大きさ、そろい方などから、形成された場所を想定してそう呼ばれたものです。 厳密には、岩床や岩脈は半深成岩で、バソリスは深成岩ということになります。また、溶岩は火山岩のこともありますし、半深成岩のこともあることになり ます。しかし、しばしば、火山の根っこにあたる岩脈や岩床のことも広く火山岩類としてひとまとめにしていうこともありますので、岩脈や岩床を火山岩とす ると間違いかと言うと必ずしもそうではありません。 結論は深成岩のバソリスを除いて、半深成岩か火山岩ということになります。 センター試験では曖昧なことは出題されないと思いますので、典型的なもの以外は覚えなくてよいでしょう。 (08/29/03) 中田節也(東京大学・地震研究所・火山センター)
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