火山についてのQ&A

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「Q&A火山噴火」

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Question #5460
Q 質問をさせていただきます。現代の技術で岩を溶かす温度を作ることができるのでしょうか?
もし、できたとして、溶岩を入れる器はあるのでしょうか?焚き火をした程度でも近寄れない熱さを感じますが、6000度という、とてつもない温度では、周りの影響もすごいことになるのではと思います。マグマが燃えるのにも酸素がいるのではと、思いますが、どうやって酸素を得ているのですか?太陽も不思議です。よろしくお願いします。 (03/07/04)

bashar:社会人:46

A 岩石の融ける温度は岩石の種類によって異なりますが,日本で見られるような普通の岩石の場合,800度から1200度程度で融かすことができます.

6000度という数字は太陽の表面温度か地球の中心の温度だと思います.また,岩石やそれが融けて出来るマグマはもうすでに酸素とくっついてできている 酸化物なので,「燃える」という表現は適当ではありません.

たき火や台所のガスレンジなどでもそれらの炎の一部は岩石の融点を超す温度になっていますが,これらを用いて岩石を融かすのはなかなか困難です.岩石を 融かすためには「熱」を岩石に与えて岩石の温度を融点まで高める必要があります.一方,「熱」受け取った岩石は,伝導や放射などでもらった「熱」をどん どん周囲に放出してしまいます.したがって,岩石を融かすためには放出されるよりも多くの「熱」を岩石に与えて岩石自体の温度を融点まで上げる必要があ ります.このためには,岩石のぐるり周囲を融点をはるかに超える温度で囲んであげる必要があります.製鉄所の溶鉱炉などはこうした温度を実現できます し,融かす対象物が小さなもので良いのならば,工事現場で見かける酸素ーアセチレンバーナーなどでも3000度を超えるような温度を実現できるので,こ の炎を当てれば岩石を融かすことが可能です.焼き物や工芸用に市販されている電気炉やガス炉でも製品によっては十分に温度を上げることができます.

研究などで少量の岩石を溶融させる場合には,プラチナ(融点1772度)など融かす対象よりも高融点の材質でできたるつぼに入れて,電気炉で融かしてい ます.

(03/26/04)

安田 敦(東京大学・地震研究所・地球ダイナミクス)


May 2012. The Volcanological Society of Japan.  kazan-gakkai@kazan.or.jp