<御影石は一体いつどのようにして出来たものか>
御影の裏山にあたる六甲山は、すべて御影石(黒雲母花崗岩)からできています。こ
の御影石は、約7千万年前(白亜紀といって恐竜が全盛だった時代です)に、珪酸(S
iO2)成分に富む流紋岩質マグマが地下でゆっくりと固まったもので、一般には深成
岩とよばれるものです。御影石は、石英、斜長石、カリ長石、黒雲母といった鉱物か
らできています。
<花崗岩のことを全て御影石と呼ぶのか>
花崗岩のことをすべて御影石というわけではありません。それぞれの産地の名前でよ
ばれることが普通です。岡山県では万成(まんなり)石とか、茨城県では稲田(いな
だ)石とかいった具合です。ただし、その中でも御影石は最も全国的に有名で、花崗
岩の代名詞のように使われています。
<六甲山の最期の活動はいつ頃で、どういった痕跡が残っているのか>
御指摘のように、六甲山の御影石は火山活動に関係した地下のマグマ溜りがゆっくり
と固まったものです。この御影石に関係ある火山岩は、六甲山の北の有馬温泉から西
の丹生山にかけて分布しています。これらは、御影石の貫入を受けており、花崗岩マ
グマの貫入に先行して生じた火山活動の産物です。これらの火山岩は流紋岩質溶岩と
火砕流堆積物からなっています。活動の時代は御影石と同じ約7千万年前です。白亜
紀という、地表を恐竜が濶歩していた大変に古い時代の出来事です。
最後に宣伝ですが、もし花崗岩に興味がおありでしたら次の本を読んでみて下さい。
大きな書店でご注文頂ければ手に入ると思います。
「花崗岩が語る地球の進化」 自然史の窓シリーズ第7巻 岩波書店 1999年7月発刊
1900円
(高橋正樹著))
(10/12/99)
高橋正樹(茨城大学・理学部・地球生命環境科学科)
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