トピック項目表示
QA番号順表示
小中学生から多い質問
「Q&A火山噴火」
に寄せられた意見集
VSJ HOME
Jan. 2012. The Volcanological Society
of Japan.
kazan-gakkai@kazan.or.jp
|
身近の火山:近畿地方
大和三山(耳成山・畝傍山) |
|
Question #110
|
Q |
奈良県の榛原の北に額井岳という美しい山があります。この山は古い火山だということを読んだ記憶がありますが、本当にそうなんでしょうか。この山の近くに形のよく似た山がありますがそれらもそうなのでしょうか。また、大和三山の中の耳成山と畝傍山も小さな火山だとどこかで読んだ記憶もあるます。
(8/10/98)
火山好きの英語教師:公務員:41
| |
A |
火山という言葉は新版地学事典(平凡社)によると火山活動により地表付近
に生じた特徴的な構造あるいは地形をさします。額井岳がどの様に美しい形状
をしているのかは質問の文章からは理解できませんが、例えば仮に富士山のよ
うな形状をしていたとして、形状だけから火山だと断言することは困難です。
少なくともマグマが噴出した形跡があるかどうかは調べなければなりません。
残念ながら額井岳付近の地質調査の資料がないので、額井岳に関しては火山か
どうかは分かりません。
耳成山と畝傍山に関しては日本地方地質誌「近畿地方」改訂版(松下進著、
朝倉書店)によれば、ざくろ石黒雲母流紋岩の流離構造を示す貫入岩が存在し
ているということですので、マグマが存在したことは確かなようです。しか
し、貫入岩ということは、現在の地形が火山であったということではなく、か
つて火山として活動していたかも知れませんが、現在では表面がどんどん削剥
されて、芯の部分だけが残っているということになります。
形からその山の成因が判断できれば、便利ですが、火山と判断するためには
詳細な地質調査が必要となります。
(8/12/98)
鎌田桂子(神戸大学・理学部)
|
|