1.形成過程について
基本的にそれで良いのではないかと思います。ただ、5の放射状谷の形成は、中央
火口丘の形成以前から続いていますが。また、後の質問にもある、妙高の形成過程の
複雑さともダブりますが、妙高では、1〜5までの過程が4回くり返されています。
2.前山について
赤倉山〜三田原山〜大倉山〜神奈山〜前山を結んだ尾根が、カルデラ縁にあたりま
す。カルデラ壁には、内壁と外壁があります。前山のピークそのものを、カルデラ「
壁」と呼ばない方がいいと思います。
3.複雑な形成史について
妙高は、上記のように、円錐形成層火山体の形成→カルデラの形成→中央火口丘の
形成といった過程を4回くり返しており、マグマの性質も、そのつどマフィック→フ
ェルシックへと変化しています。ですから、新旧4つの別々の火山が、縦に重なって
できたような構造になっています。詳しくは、『フィールドガイド 日本の火山 @
関東甲信越の火山氈x(築地書翰)を参考にしてください。
4.最後と将来の噴火について
マグマを噴出した最新の噴火は、約5000年前(暦年代)の縄文時代中期末の火
砕流噴火です。この時の火砕流は、新井市まで達しています。マグマを噴出しない水
蒸気爆発は、約2500年前のものが、確認できる最新のものです。現在の4代目の
妙高は、その一生の最末期の状態にあります。ですから、以前のように、マグマ噴火
を頻繁にくり返すことはないでしょう。しかし、少量のマグマを、単発的に噴出する
可能性は、先代の例からみて、否定できません。また、水蒸気爆発は、まだ十分起こ
り得ると考えています。5代目の妙高が、誕生するかどうかについては、全く不明で
す。
(2/18/00)
早津賢二
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