太白山は、約8百万年〜5百万年前にマグマの活動によって形成されたもので、マ
グマが地表付近で固まって生じたものと考えられています。柱状節理はマグマが固結
する際に冷却収縮して生じたものと思われます。太白山の富士山のような形は、中心
部に硬い円柱状の火山岩があり、その周囲がより柔らかい堆積岩があっために、侵食
に対する強さが異なってできたものと考えられます。
ここにあげられた山々は確かにいずれも火山岩からなりますが、それらの形成され
た時代が異なり、これらをひとまとめの火山群と考えることはできません。約8百万
年〜5百万年前にできた太白山、約3百万年前〜2百万年前にできた面白山・七つ
森、そして約2百万年〜百万年前にできた船形山・泉ヶ岳があります。特に中央蔵王
を形づくっている蔵王火山や、鳴子火山の活動はこれらよりも概して新しく、百万年
前以降に活動したと推定され、歴史時代の活動記録も残されています。
作並、秋保、定義などの温泉と、これらの火山岩の分布とが関係があるという確か
な証拠はありません。むしろ、これらの温泉は、約8百万年前から5百万年前にかけ
て形成されたカルデラの分布と密接な関係がある様です。
(07/02/01)
吉田武義(東北大学大学院・地球物質科学,地殻化学及び火山体地質学研究室)
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