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●1の回答
中島台,といいますと東鳥海馬蹄形カルデラ(ながったらしい名前で申し訳
ありませんが,私がつけました)のことですね?このカルデラは山体崩壊でで
きたものです.
では,その山体崩壊の原因はといいますと・・・
それに関しては下記の論文の中の北大の宇井先生の執筆部分が,最新の研究報
告です.おそらく水蒸気爆発が引き金となったと推測はされていますが,その
実体はいまだに明らかになっていません.
というわけで,「よくわからない」というのが現状のお答えです.すみませ
ん.
文献
Hasenaka, T., Ui, T., Nakamura, Y. and Hayashi, S.(1992)Traverse of
Quaternary volcanoes in Northeast Japan.1992 29th IGC Field Trip
Guide Book,4,29-74.
(9/8/98)(林 信太郎@秋田大学・教育文化学部)
●2の回答
寛保津波の原因については噴火,地震,斜面崩壊など諸説あり,まだ決着し
ておりません.水蒸気爆発の可能性ももちろんあります.決めてとなる物的証
拠を得るため,最近になって,(1)火山灰の同定,分布把握,(2)津波堆
積物から津波規模や遡上過程を推定する試み,(3)海底地形の詳細な調査,
が進められています.もしも興味がおありなら,以下の文章をお読みくださ
い(入手困難ですのでご連絡ください.nishi@ares.sci.hokudai.ac.jp).
西村裕一,渡島大島1741年噴火と津波−謎の多い大災害−,Oshimanography,
5,印刷中(もうすぐ!).
(9/11/98)(西村裕一@北海道大学・有珠火山観測所)
●3の回答
これまでは,弥陀ヶ原を作る火砕流が噴出して陥没カルデラが形成されたと
考えられていました.1960年代に発表された論文では,カルデラ形成以前の山
体は標高2,800-3,000mに達すると想定していたようです.この論文に基づい
て,これまで長いこと,立山火山の形成史がいろいろな本に紹介されてきまし
た.
しかし,最近の研究によると,立山カルデラは陥没カルデラではなく,谷頭
浸食により拡大した浸食カルデラであると考えられるようになりました.今年
オープンした立山カルデラ砂防博物館の展示では,浸食カルデラであると考え
ているようです.また,私も現在立山火山を調査中ですが,そのように考えて
います.また,カルデラ形成以前,富士山型の単一の成層火山ではなく,い
くつかの火山体があったようです.
現在見られる噴出物の分布から推定すると,火山体の高度は2,800mを越えて
いたのは間違いありません.火砕流がどこから噴出したのか,火山の中心はど
こにあったのか,カルデラ内を詳しく調査したのですが,それらしき場所はな
かなか見つかりません.
(9/11/98)(中野 俊@工業技術院・地質調査所・地質部)
●4の回答
プレート境界の位置を,地球儀のうえでたしかめるとよくわかります.アメ
リカプレートとユーラシアプレートの境界を,大西洋中央海嶺から順に追って
いってみてください.東シベリアを経由して日本海につながっています.いか
がでしょう?
(9/8/98)(林 信太郎@秋田大学・教育文化学部)
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