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小中学生から多い質問
「Q&A火山噴火」
に寄せられた意見集
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Jan. 2012. The Volcanological Society
of Japan.
kazan-gakkai@kazan.or.jp
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火山の形状と地形
溶岩洞穴 |
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Question #2519
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Q |
富士山と浅間山のことで質問した響ちゃんです。この前はありがとうございました。浅間山のことにもっと興味がわいてきたので教えて下さい。湖と洞穴のことを質問します。青木ヶ原には、風穴・氷穴・コウモリ穴のような洞穴がいっぱいありますが浅間山にはないのですか?私は溶岩が富士山よりもドロドロしていて厚くなっていて流れる距離も富士山と比べて短いから洞穴が出来なかったのかなぁと思いました。また浅間山には湖が一つもないのが不思議です。昔はあったのでしょうか?教えてください。
(08/22/02)
ペンネーム響ちゃん:小学生:10歳
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A |
1)前回(#2494)、富士山の溶岩は浅間山の溶岩より流れやすいという話をしまし
た。コウモリ穴のような洞穴は溶岩のトンネルの跡と考えられています。地表に出た
熱い溶岩が空気にふれると、一番上の部分が冷えてカサブタのようになって流れにく
くなります。けれども内側はまだ熱くて流れやすいために、下流に抜けていってしま
い、筒のような形のトンネルができます。いちどトンネルができると、あとから来た
溶岩もその中を流れます。20年近く噴火を続けているハワイ島のキラウエア火山で
は、溶岩トンネルの天井(てんじょう)のところどころに穴があいていて、そこから
トンネルの中を川のように流れる溶岩を見ることができます。浅間山では洞穴は見つ
かっていません。響ちゃんが考えたように、厚くて流れにくい溶岩にはトンネルはで
きにくいようです。
2)浅間山のまわりの湖ですが、1〜2万年前ごろにはありました。軽井沢駅の南側
のあたりはとてもひらたくて、地面の下には、砂や泥に小枝や植物のかけらが混じっ
た地層(ちそう)が何枚も重なっています。この地層は湖の底にたまってできたもの
です。湿原にたまる泥炭(でいたん)という地層もはさまっています。2万年前頃に
は浅間山の一部が壊れてこの地域に流れてきました。その後も噴火のたびに火山灰が
降りつもったり、火砕流(かさいりゅう)が流れてきたこともありました。 流れて
きた土砂や降ってきた火山灰が川をふさいで浅い湖ができ、噴火のない時には干上が
っていくということを繰り返したようです。
(8/31/02)
安井真也(日本大学・文理学部・地球システム科学)
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Question #4128
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Q |
ハワイの火山についてなんですが、火山の洞窟ってどのようにできるのですか?
ガイドさんは、「流れ出したマグマの表面が固まり、中のマグマが全部流れ出した跡です」
とかなんとかいってました。本当にそうなのですか?詳しく、簡単におしえてください(笑)
一度噴火が起きると、どのくらい続くのですか?(ハワイの火山)
ぜひおしえてください!おねがいします。
(08/12/03)
佐藤:学生:12
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A |
ガイドさんの説明は間違ってはいません。
溶岩は冷えはじめると結晶が成長しはじめ溶岩の粘り気が増加し、さらに冷えるとついには固まってしまいます。ハワイのような流動性に富む溶岩が流れる
場合に、表面で冷えて固まった溶岩が内部を流れる溶岩に対して保温の役目を果たし、高温の溶岩が冷えずにそのまま流れることができます。これは溶岩チュ
ーブといって、溶岩を遠方まで運ぶ主な仕組みです。噴火活動が低下し、溶岩チューブから内部の流動的な溶岩が抜けてしまうと溶岩のトンネルができる訳で
す。また、溶岩の中に閉じ込められた火山ガスの圧力が増加して表面の溶岩を持ち上げて大きな中空を作ることも稀にあるようです。このような古い溶岩のト
ンネルや中空が溶岩洞窟(洞穴)として観光地になっています。
日本では富士山の溶岩洞穴が有名です。インターネットで溶岩洞穴を検索してみて下さい。
噴火の継続時間は火山や溶岩の種類によってまちまちです。普通は3か月以下が多いようです。しかし、ハワイでは1983年から現在までほぼ連続的に溶
岩が流出しており、そこでは溶岩チューブを使って溶岩が海岸まで到達し、海に直接流れ込んでいます。その様子も見学できたのではないかと思います。
(08/17/03)
中田節也(東京大学・地震研究所・火山センター)
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