小中学生から多い質問
小中学生から多い質問 |
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Question #132
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Q |
火山の活動で、どのようにして地層ができるのか教えてください。
(9/30/98)
富山・福岡小学校・高野敬次、大野真敏、塚原新、尾崎良樹:小学校6年生:12
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A |
なるほど.普通は地層というものは川から海へ水によって運ばれてきた泥や
砂や礫が海に貯まってできると習っているはずですから,「火山でできる地
層」は不思議に思ったんでしょうね.でも日本のような火山国では,火山の活
動によって直接できた地層がたくさんあるんだ.それらは次にあげるようなも
のです.
まず第一に,火山から噴出した溶岩流や火砕流が流れ下って山のふもとなど
にたまったもの.溶岩のほとんどは山のふもとにたまりますが,火砕流の中に
は100キロメートルよりも遠くまで流れ下ってたまるというものもありま
す.
第二に,空中に吹き上げられた火山灰や軽石などが風下に運ばれて地表に降
り積もるもの.こういうものは風成層といいます.一回の噴火でできて運ばれ
た火山灰が日本全土を覆うというような大規模なものもあるんだよ.
第三に,これは火山の噴火口の近くに限られるけど,火山弾や大きな岩のか
たまりが噴火口から爆発の力で放り出されてたまったもの.
第四に,火山で地震があったり小さな爆発が原因となって,山の一部分が崩
れてなだれのように流れ下った場合も,それによる地層ができます.
第五に,火山は高いから頂上には雪が大量にあるよね.それがマグマの熱で
とけて水になると,大量の水が流れ下ります.それが流れ下る途中の土砂を崩
して運んでくると,土石流とか泥流とよばれるものになって,下流にどでかい
地層を作ります.大雨の時などにもこんなことは起こります.
さて,君たちの小学校のまわりにもこんな地層はありますか?
(9/30/98)
三宅康幸(信州大学・理学部)
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Question #5302
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Q |
火山が噴火する山はだいたい、決まっているんですかぁ?TOPのページにでてなかったからお聞きいたしました・小学6年なんですけどぉ、よかったら、教えて下さい。(今学校で勉強してるんです)今、調べ学習しているんです。これは、家のPCから送りました♪自分でホームページを見つけ、うれしいです。返事お待ちしています。なるべく速めにお願いします。
(11/21/03)
チカコ♪:小学生:11
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A |
地球上では、小さな噴火が起こる頻度は大きく、大きな噴火が起こる頻度は少ないのが普通です。火山ごとでもしばしば噴火をするものとたまに大きめの噴火
をするものがあります。これは、火山ごとに放出したいエネルギーが決まっており、小さな噴火でエネルギーを小出しに使うか、大きな噴火で使ってしまうか
というような関係だと思えばよいでしょう。噴火する火山が決まっているわけではありません。例えば、諏訪之瀬島や桜島は1年間に何回も噴火をしていま
す。三宅島、有珠山などは数十年おきに噴火を繰り返しています。富士山はここ約3百年間噴火がありません。ですから、今度富士山が噴火するとしたら大き
めの噴火になる可能性がありうるわけです。
(11/22/03)
中田節也(東京大学・地震研究所・火山センタ)
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Question #5142
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Q |
はじめまして。学校の授業で調べているのですが、火山の噴火活動は大体、どのような理由で、噴火するのですか?又、日本には、今現在、幾つほど、活火山はあるのですか?
幼稚な質問ですみませんが、お願いします。
(11/06/03)
kikka***:学生:13
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A |
4142の回答をご覧下さい。
左の検索機能や小中学生から多い質問を調べてから質問して下さいね。
管理人
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Question #5176
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Q |
私達は、前から火山のことを調べたくて....学校で「火山について」取り組みました。
質問なんですが....、火山で出来た土地の変化と山の変化、又 火山の噴火はどうやって
起きるのか?を教えてください。
(11/11/03)
RUI&::
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A |
いただいた2つの質問は今年になって中学生からいただく質問のベスト2です。おそらく「噴火による地形の変化」と「噴火はどうしておこるのか」につい
てインターネットで調べてみようという授業があるのだと思います。同じ質問があまりに多いのでいちいち答えられません。まずは「小中学生から多い質問」
か「QAの検索」に調べたいキーワードを入れて調べてみて下さい。それでもっと知りたくなったら何を知りたいかをもっと具体的に書いて質問して下さい。
最初の質問はやや調べにくいかもしれません。簡単にいうと、火山は噴火によって作られた「山」です。もう少し詳しく言うと、火山は成長と崩壊(ほうか
い)をくり返しています。マグマが火口から噴出することによって溶岩や火山灰がうず高くつもって山が大きくなる場合と、噴火に伴って火口周辺の地形が地
下に陥没(かんぼつ)したりくずれてなくなる場合とがあります。後者はカルデラや巨大じすべり(山体崩壊:さんたいほうかい)があります。火山は大きく
なると必ずくずれるという運命があります。火山の地形にはいろいろあります。これは調べてみて下さい。
噴火はどうして起こるのかも簡単にいうと、地下にあるマグマの中の火山ガスの圧力が高まって、マグマごと地上に向かって移動し、浅いところまできたと
きに、圧力が急に解放されて膨張(ぼうちょう)し爆発するためです。コーラの缶を良くふった後にプルトップをぬくのと似ています。マグマ自身の圧力でな
くても地下水がマグマによって加熱されて水蒸気となり膨張して爆発することもあります。後者は水蒸気爆発とよばれます。
(11/23/03)
中田節也(東京大学・地震研究所・火山センター)
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Question #5305
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Q |
今、学校の理科の勉強で「火山活動の変化」を勉強しています。。
質問なんですが、「火山が噴火するとどんなことがおこるか」と、
「今までにおこった火山活動では、大地にどんな変化が
見られたのか」を教えて下さい。。
よくある質問だと思いますが、お返事をよろしくお願いします☆
(11/23/03)
胡桃♪:小学生:12
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A |
この質問も非常に多いものです。これまでの質問に代表してお答えします。が、噴火がどこでおこるのか、どんな噴火なのか、さらに、何に対して考えるか
などでいろんなケースがあり、大変回答しにくい質問です。これからはもう少し具体的に質問して下さいね。
例えば、(1)火山灰が火口から放出された場合は山腹や風下にそれが厚くたい積します。田畑は灰でおおわれ収穫ができませんし、灰の厚く積もった道路
を車がはしれません。300年前の富士山の噴火では今の東京でも火山灰が積もりました。火山灰が空にただよう場合は、航空機がそれにつっこむと、エンジ
ンが火山灰を吸い込むと停止し墜落の危険があります。(2)火口から溶岩が流れる出る場合には、溶岩が住宅地までせまってくることもあります。ハワイの
キラウエアでは溶岩が約20年間も流れ続けており住宅地が埋め尽くされました。(3)火山灰と高温の火山ガスが火口から高速で流れ下る火砕流(かさい
りゅう)が発生することもあります。100年前のカリブ海の島でおきた噴火では火砕流で約3万人がなくなりました。(4)雨が降ると火山灰が堆積した場
所では泥流が発生しやすく、山麓にある河川や低地は危険です。約20年前にコロンビアでおきた噴火では火口から約40kmも泥流が流れ下り麓の街を埋め
尽くし、逃げ遅れた約2万5千人がなくなりました。(5)山がくずれることもまれにあります。約210年前の雲仙普賢岳の噴火では大きな地震によって古
い溶岩ドームがくずれて有明海になだれ込み、津波が発生し有明海の周囲で約1万5千人がなくなりました。火山活動が活発化すると、火口に近い場所だけで
なく、山麓でも火砕流、溶岩、泥流が流れてきそうな谷、川、低地などは危険になることがあります。
大地の変化では最近の噴火例をあげればわかりやすいと思います。10年ほど前の雲仙普賢岳の噴火では溶岩ドームが山の頂上付近にできて山の最高点がさ
らに120mほど高くなりました。有珠山の2000年噴火では溶岩が地面の下にたまって新しい小山が作られました。約60年前の噴火ではそれが地表に顔
を出しました。三宅島の2000年の噴火ではマグマが地下で隣の火山に移動したため、三宅島の下に空洞ができ、山頂が陥没してカルデラ(大きな穴)が作
られました。
(11/23/03)
中田節也(東京大学・地震研究所・火山センター)
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Question #198
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Q |
東大病院の院内学級に勤務している者です。お忙しいところ申し訳ありません。
よろしくお願いします。
理科の授業で関東ローム層を教えている時に次のような質問がありました。
(1)「富士山はいつ頃噴火したの?」
(2)「どうやったら噴火した時期が分かるの?」
ぼく自身地学が専門ではないため、(1)についてきちんと答えてあげることができませんでした。
また、(2)についても「地層を関東ローム層と、上下の地層の年代を比べて年代を調べたんだよ」と
しか答えられませんでした。いろいろ調べたのですがよく分からなかったので、質問したいのですが、
次のことについて教えていただけるでしょうか?
1;関東ローム層は、富士山の火山灰が噴火してつもった地層という事で良いですよね。
2;富士山は何年前〜何年前ぐらいに噴火したのでしょうか?年代はいつ頃でしょうか?
3;関東ローム層の上下の地層は何年前〜何年前つもったのでしょうか?上下の地層が積もったとき
関東はどの様な様子だったのでしょうか?
簡単な質問で恥ずかしいのですか、よろしくお願いします。
(3/6/99)
土屋忠之(都立北養護学校 東大こだま分教室勤務):教員:30
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A |
(1)
より厳密には,「関東ローム層は,富士山,箱根山,浅間山などの,おもに関東
平野西方に位置する火山の噴火によって地表にもたらされた火山灰が,大気中を運
ばれて降り積もった地層」です.火山灰の大気中での移動方法としては,噴火時の
噴煙によって直接運搬されることもあれば,噴火休止期に火山山麓の荒れ地や河川
敷などから強風によって少しずつ運ばれることもあります.前者の運搬方法を主と
みるか,後者を主とみるかで,まだ学者間に議論があります.
(2)
富士山は,およそ10万年ほど前から噴火を始め(かつて8万年前とよく言われま
したが,最近の年代測定研究の進歩によって若干遡っています),歴史時代にもた
びたび噴火を起こしている活火山です.最近では1707年(宝永四年)に大規模な噴
火を起こしています.なお,1707年以後もまったく静かであった保証はなく,1708
〜09年,1770年,1854年にも小規模な噴火を起こした疑いがあり,現在研究が進め
られています.
富士山の歴史時代の火山活動については,以下のページが参考になるでしょう.
http://sk01.ed.shizuoka.ac.jp/koyama/public_html/Fuji/fujid/0index.html
(3)
関東ローム層の最下部をしめる地層は,およそ40〜50万年前の堆積物です.そし
て,関東ローム層の最上部(つまり現在の地表面)には,いまでも少しずつ堆積物
が堆積し続けています.風の強い日に荒れ地や河川敷・畑などから砂ぼこりが大量
に舞い上がり,それがわずかずつ地面をかさ上げしているのです(あるいは,上述
した富士山の1707年噴火の際に関東平野に灰が降り積もったことからわかるように,
火山噴火による降灰でかさ上げされることもあります).縄文・弥生時代や歴史時
代の遺跡が土中に埋もれているのはそのためです.
関東ローム層は乾いた陸上(湖や川や湿地帯ではないという意味です)で堆積し
た地層です.つまり,関東ローム層がつもった場所はいまの武蔵野台地のような台
地の上です.しかし,関東平野全体に関東ローム層が分布しているわけではありま
せん.たとえば,千葉県の北部には低い丘陵地帯が広がっていますが,そこには40
〜50万年前の海でたまった砂や泥が分布しています.つまり,関東ローム層が堆積
し始めた頃には,いまの東京湾から九十九里浜にかけて洋々とした海原が広がって
いたのです.
(3/10/99)
小山真人(静岡大学・教育学部・総合科学)
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Question #196
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Q |
火山は、人間に被害を与える以上にやくだっているのは、知っているのですが
どのように、やくだっているのですか?
おしえてください。
(3/2/99)
ゆうこ:学生:13
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A |
お答えします。
以下に火山が人間のやくにたっている例を、大切な順にいくつか出します。
1)湧水
降水量(雨が降る量)を比べると、火山の中腹から上の方がそのふもとより多い
ものです。でも、火山の中腹より高いところに登ると水が流れているところがあり
ません。それは火山に降った雨が全部地面にしみこんでしまうからです。火山はす
きまのおおい溶岩でできていますので、砂場につくった山と同じぐらい水がしみこ
みやすいのです。このようにしてしみこんだ水が地下をふもとめがけて流れて、ふ
もとの溶岩の切れ目から流れ出します。
これが火山のふもとに多い湧水のすがたです。いわば、天然の浄水装置とでも
いったらよいのでしょうか。
この湧水は豊富でよほどのことがない限り枯れることがありません。どんなに日
照りの年でも枯れることはありません。そして温度も一定です。ふもとでくらす
人々はこの水をつかって暮らしています。この水こそが人間が暮らしてゆく上でな
くてはならないものです(水がないと本当にこまりますよ)。これ以上の「やくに
たつもの」はないのではないでしょうか。
2)温泉
火山のまわりには、かならずといっていいほど温泉があります。温泉につかっ
てからだとこころの疲れをいやしたり、けがを治したりすることがあります。温泉
でたまごをゆでたり、料理をすることもあります。そればかりか、温泉をほりあて
ると、お金がもうかることがあります。
3)軽石
ある種の火山のまわりには軽石が出ます。この軽石は切り出されて、入浴用と
して町で売られています。この軽石がざらざらであることをつかって、人間たちは
風呂に入りながら ひじ や かかと の固いかわをけずって、きもちよく毎日を
くらすことができます。
4)風景
火山はたいてい特徴のある格好をしています。そしてそのまわりには池や湖が
できることが多いです。そして、その中に豊かな植生と動物たちのくらしが包み込
まれています。このような舞台装置があると、人間の目には美しい風景としてうつ
ります。
日本の観光地の多くは火山の周辺にあります。富士山のまわりや桜島のまわりと
かが有名ですね。この風景でこころが休まるという役立ちかたもあります。
5)土
地方によっては、火山から出る火山灰がつもって出来た土があります。これら
の土は、水はけが良いという特徴があります。そのために、水はけが良い土地を好
む農作物(ネギやダイコン、キャベツなど)を作るのには絶好の場所になります。
嬬恋のキャベツ、関東平野の深谷ネギや鹿児島の桜島ダイコンなどは有名ですね。
こちらはおいしい方でやくにたっています。また、軽石を含む土が「鹿沼土」とい
う名で園芸用に売られていたりします。こちらはさし木をする時の必需品です。
さらにある種の火山灰が肥料の代わりになるということも知られています。
6)金属資源
火山は地球の中からいろいろな物質を運んできます。そして火山が噴火活動を
やめたあとに山がけずられてその内部が出てくると、そこには地球の内部から運ば
れてきた金属類の鉱脈が出来ていることがあります。金、銀、銅、亜鉛、スズなど
の金属類は昔々の火山のあとが鉱山になっている場合が多いようです。これも人間
の生活には欠かせないものです。そういえば、活火山で有名な阿蘇山で金脈がみつ
かったというニュースも過去にありました。
まだまだあります・・・。みなさんが呼吸している空気も水も、もとはといえば
昔の火山活動の結果として地球の中から出てきたものといわれています。でも、こ
のぐらいにしておきましょう。とにかく、火山が人間のやくにたっているのです。
(3/5/99)
筒井智樹(京都大学・理学部・火山研究センター)
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Question #2467
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Q |
以前、先生に次のような問題を出題されました。「関東ロームは( 1 )火山、( 2 )火山より噴出した火山灰の変化したものである。」この(1)、(2)に入る語句を教えてください。
(08/08/02)
お茶っ子:高校生:16
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A |
宿題はあまり安易にQ&Aに頼らず、自分である程度調べてみてこそ意味があります。
火山学会のQ&Aの検索では「関東ローム層」で引っかかります(198番目)。いろん
な検索機能のあるホームページ(例えばyahoo, http://www.yahoo.co.jp/やgoogle,
http://www.google.co.jp/など)でも「関東ローム層」が沢山見つかり、質問の答え
がすぐ見つかりますよ。
そして、さらに疑問がわいたら質問してください。
本屋さんでは、
「東京の自然史」 貝塚 爽平 著(紀伊国屋書店)
「富士山はなぜそこにあるのか」 貝塚 爽平 著(丸善)
「火山灰は語る」 町田 洋 著(蒼樹書房)
等もあります。
(08/08/02)
ホームページ管理者
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Question #165
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Q |
火山の成因について教えていただきたいですが。
さらに、火山の発生については海溝や中央海嶺などと何の関係を持っていますか。
(11/27/98)
林:学生:17
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A |
地球は,内部に多量の熱をたくわえていて,地下では深いところほど温度
が高くなっています(通常の場所では深さ100mにつき3℃程度).しかし,
深いところほど圧力も高くなり,圧力が高いと岩石の融解温度も高くなっ
て,岩石は融けにくくなるので,大陸や海洋の通常の場所では,どの深さで
も,地殻やマントルの岩石が融けるほどの温度にはなっていません.
ところが,マントルの岩石(かんらん岩)がゆっくりと(1年に数mm〜
数cm程度)上昇する流れがある場所では,地下深くにあった高温の岩石
(1400℃程度)が浅くて圧力の低い場所に運ばれるので,そこで岩石がわずか
に融解し,玄武岩質のマグマが発生します.マグマは周囲の岩石より軽いの
で,集まりながら上昇し,ついには地表や海底に噴出して火山をつくります
(噴出時の玄武岩マグマは1200℃程度).大洋中央海嶺の下には,マントル
が湧き上がって両側へ拡がる流れがあり,海嶺の中軸地溝帯に沿って活発な
火山活動が起きています.アイスランドやアファー三角地帯では,海嶺の火
山活動の様子を陸上で見ることができます.ただし,海嶺から離れた場所で
も,スポット状のマントル上昇流(プルーム)によって,大きな火山体が形
成されることがあり,ハワイに代表されるこのような場所をホットスポット
と呼びます.
海溝は,逆に下へ向かうマントルの流れがある場所で,そこではマグマは
発生しません.しかし,斜めに沈み込む冷たいマントルの上側には,熱いマ
ントルが浅いところに上がってきていて,そこで発生したマグマが,海溝と
平行に伸びる数列の島弧火山帯をつくっています.東北日本の那須火山帯や
鳥海火山帯はその例です.海溝からは,多量の水を含んだ海洋底の堆積物や
変質して水を含んだ海洋地殻の玄武岩が,冷たいマントルと一緒に沈み込み
ますが,深く沈み込むと温度が高くなるので水が放出され,この水が上側の
熱いマントル中に浸透して,そこの融解温度を下げて岩石を融け易くすると
ともに,海嶺やホットスポットとは違った,島弧特有の水に富むマグマを形
成すると考えられています.
(11/29/98)
石渡 明(金沢大学・理学部・地球学科)
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Question #61
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Q |
火山は、なぜ出来たのですか?また、火山の利用法などはないのですか
(12/18/97)
karen/s:中学生:15
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A |
普通の岩石は1200℃くらいの温度まで熱すると、どろどろに溶けてしまいま
す。このようにして溶けた岩石をマグマと言います。地球は内部に多量の熱を
たくわえていて、例えば日本で深い穴を掘ると、その穴の中では、深さ1kmご
とに約30℃ずつ温度が高くなります。つまり、単純に計算すると、地下40kmで
温度が1200℃になり、そこでは、普通の岩石は溶けていることになります。実
際には、深くなるほど圧力も高くなるので、岩石は溶けにくくなるし、地下
40kmはもうマントルの中で、そこはカンラン岩という溶けにくい岩石でできて
いるので、どこでも溶けているわけではありませんが、地球のマントルはプレ
ート運動とともにゆっくり動いていて、マントルのカンラン岩が上昇している
ような場所では、特に溶けやすくなります。溶けてできたマグマは集まって上
昇し、それが地表に噴出する場所が「火山」です。
火山では、マグマが地下から多量の熱を運んで来るので、その熱を利用して
地熱発電が行なわれています。この熱は温泉の水を温める役もしていて、入浴
はもちろん、農作物の温室栽培などにも利用されています。富士山のような大
きな火山体は、大気に上昇気流を生じてしばしば雨を降らせ、穴だらけの溶岩
の中に多量の水をたくわえて、貴重な水源の役もしています。地下のマグマの
そばでは、岩石から熱水へいろいろな元素が溶け込み、熱水の温度が下がると
それらが沈澱して、銅・亜鉛などの金属鉱床を作るので、我々にとって貴重な
資源を作り出してくれる役もしています。
(12/18/97)
石渡 明(金沢大学・理学部)
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Question #52
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Q |
先日は質問に答えていただきありがとうございました。今、学校で火山の形について調べています。調べた結果、火山の形が違うのは溶岩の粘り気のせいだということが分かりました。
粘り気が強い火山は昭和新山の様に鐘状でごつごつしていて、粘り気が強くも弱くもない火山は富士山のような成層火山ができる、また粘り気が弱い火山はキラウエアのようなたて状火山ができるということが分かりました。
質問なのですが、その粘り気とは何かわかりません。何か違うものが中に入っているのですか?
(10/30/97)
松本 卓:中学生:15
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A |
「粘り気」は、物質の流れにくさを表す「粘度」または「粘性」と呼ばれる物
理量を、やさしい言葉で言い換えたものです。身近な物質を例にとると、水
飴、練り歯磨き、マヨネーズ、トンカツソース、グリセリンなどは粘性が高
く、水や灯油などは粘性が低いわけです。粘性の単位は「パスカル秒」(Pa・
s)ですが、昔はポアズという単位がよく使われました。1Pa・sは10ポアズで
す。水の粘性は0.01ポアズ、グリセリンは15ポアズ(いずれも温度20℃)
です。そして溶岩の粘性は、ハワイや富士山のような「玄武岩」では100
−1000ポアズですが、昭和新山のような「安山岩」や「流紋岩」では10
00万〜1000億ポアズに達します。粘性というのは、つまり物体に力を
加えて変形させたときの、内部の摩擦力の大きさです。
粘性は、同じ物質でも温度によって大きく変化します。例えば、水の粘性
は、0℃では0.018ポアズですが、100℃では0.003ポアズになります。一般に
玄武岩の溶岩は温度が高く(1100-1200℃)、安山岩や流紋岩の溶岩は温度が
低い(850-1000℃)ので、まず温度の効果があります。同じ溶岩でも、温度が
下がると、粘性が大きくなり、流れにくくなります。
もう1つ重要なのは溶岩の成分の違いです。溶岩の主成分は珪素と酸素が結
合したシリカ(SiO2)という分子で、玄武岩にはSiO2が50%程度含まれ、安
山岩では60%、流紋岩では70%と多くなります。この分子は次々に結合
(重合)して糸のようになったり網状の構造を作る性質があるので、この分子
が増えると粘性が大きくなります。水に片栗粉を溶かすとトロッとしてくるよ
うなものです。従って、同じ温度でも、玄武岩の溶岩より流紋岩の溶岩の方が
流れにくいのです。
そのほか、溶岩の中に含まれる気体(火山ガス)や結晶の量など、いろいろ
な要素が粘性に影響しますが、主なものは上に述べた通りです。
(11/1/97)
石渡 明(金沢大学理学部)
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Question #2169
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Q |
世界最大の活火山はどこにあり、どんな名前なのでしょうか?
以前NHKの番組で、アメリカの国立公園…確か、ノースカスケード国立公園だと思ったのですが、その国立公園の地下全体に超巨大なマグマ溜りがあり、これが60万年周期で爆発しているとききました、もしこれが本当ならおそらく世界最大の爆発エネルギーを秘めているのではと思っているのですが、本当にそうなのでしょうか?
さらにこの様な、超の形容詞がつくような火山が世界に何ヶ所かさらに存在していると聞きました、その名前と場所が知りたいです。
(03/07/02)
LonLon:フリーター:26
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A |
おたずねの件は,ワイオミング,アイダホ,モンタナ州にまたがるイエローストー
ン国立公園のことであると思います.そこでは50〜80万年おきに規模の大きな噴火が
起こり,そのつど約300〜2500立方キロメートル以上もの軽石や火山灰が放出されま
した.また,これらの火山噴火のたびに直径20〜50キロメートル以上の大きさの陥没
カルデラが出現しました.地球上で,ここ2百万年間におこった火山噴火のうち,最
も規模の大きい部類に入るであろうと考えられています.イエローストーンの地下に
は現在でも直径が10キロメートルを大きく上回る大きさのマグマ溜まりがあると推定
されています.
一方,インドネシアのスマトラ島北部にあるトバ火山はわずか7万4千年前に大噴
火をしました.その時に噴出された火山灰や軽石の量は2800立方キロメートルにもな
ると考えられています.トバ火山にも巨大なカルデラ(100×40キロメートル)が存
在しています.ここでもやはり地下に巨大なマグマ溜まりが存在しているでしょう.
(3/26/2002)
中田節也(東京大学・地震研究所・火山センター)
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Question #5331
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Q |
火山の噴火で、自然以外に、人には、どんな影響がでるんですか?
それが原因で、亡くなった人とかもいるんですかね?
(11/28/03)
黒崎:小学生:12
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A |
まず左の「小中学生から多い質問」を読んで下さいね。
火山噴火がもたらした災害によってこれまで大変多くの人が亡くなりました。火山は私たちにさまざまな恵みをもたらしてくれる一方で、その噴火が大きな災
害を引き起こすことがあるので要注意なのです。
特に噴火現象のうち、火砕流や泥流(時には津波)は最も危険なものです。また、大きな噴火では成層圏まで火山灰とともに大量の硫酸ミスト(霧)が放出さ
れ、それらが太陽光をさえぎって深刻な異常気象をもたらします。
(11/30/03)
ホームページ管理者
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Question #5343
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Q |
火山からまぐまが出るのはどう言うふうな時期や季節、気候の時に出て来るのか。その天気や気候、季節、時期によって火山の出方、噴火の仕方は、変わって来るのですか・・・
(11/29/03)
木村:小学生:11
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A |
噴火が始まることには季節や気候の影響はほとんどありません。ただし、潮汐と噴火が関係していると考えられるケースもまれにありますが、それは噴火活
動が活発化している場合にだけ限られるようです。
災害のような噴火による影響には季節や気候が大きく関係します。空を漂う火山灰は風下に流され、風下地域に被害を与えます。山頂部に積雪がある場合に
は、マグマの熱で雪がとけて泥流(あるいは土石流)が発生することがあります。噴火直後に雨が降ると泥流がよく発生します。できたての熱い溶岩に大雨が
降り注いで、小爆発や溶岩の崩壊を起こした可能性も指摘されています。
(11/30/03)
(お願い。同じ質問を10回も続けて送信しないで下さい)
中田節也(東京大学・地震研究所・火山センター)
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