火山学者に聞いてみよう -トピック編-  

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「Q&A火山噴火」 に寄せられた意見集


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Jan. 2012.

The Volcanological Society
of Japan.

kazan-gakkai@kazan.or.jp

噴火現象と噴出物・岩石・鉱物

山体崩壊


Question #2474
Q 長崎県の雲仙普賢岳が1792年に噴火を起こし、眉山が大崩壊するという事件が昔あったそうですが、また崩壊する可能性はありますか? (08/10/02)

NANA:学生:14

A
 火山は一般に大きくなればなるほど崩れやすくなる性質も持っています。山体崩壊 (さんたいほうかい)と言います。大きな地震や火山活動が引き金になるようです。 砂山を大きくしすぎると必ず崩れてしまうのと同じです。日本一の富士山でもその成 長の途中に何度か大きく崩れたことがあると分かってきました。ハワイのような斜面 の傾斜の緩い盾状火山においても何度も大崩壊を繰り返していたことが最近の海底調 査から分かってきています。
 雲仙火山もしばしば大崩壊を繰り返す火山です。1792年の眉山の大崩壊では1万5 千人も犠牲になった日本最大の火山災害です。これは噴火直後の大地震が引き金にな って起きたと考えられています。眉山に限らず多くの火山は、発生の頻度は非常に低 いもながらも将来的に崩壊する可能性を持っています。眉山では山の斜面が動く気配 がないかどうか、先の普賢岳噴火以降、連続的に計器を使って監視されていますが、 今のところ崩壊につながるような変化は見つかっていません。
 (08/13/02)

中田節也(東京大学・地震研究所・火山センター)