火山学者に聞いてみよう -トピック編-  

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小中学生から多い質問

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「Q&A火山噴火」 に寄せられた意見集


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Jan. 2012.

The Volcanological Society
of Japan.

kazan-gakkai@kazan.or.jp

噴火をとらえる

活火山(・死火山・休火山)・火山群


Question #8
Q 日本はとても活火山の多い国ですが、活火山の多い国ベスト5は、どういう国々でしょうか? また、世界にはどのくらいの活火山があるのでしょうか? よろしかったら教えて下さい。お願いします。 (2/13/97)

酒谷 幸彦:公務員:39

A むずかしい問題ですが,最近の資料によると活火山の多い国ベスト5は,アメ リカ合衆国(174),ロシア(156),インドネシア(139),日本(123),チ リ(109)の順ではないかと思います.また,同じ資料には世界中で1500ほど の活火山が記載されています.アメリカやロシアに活火山が多いというのは意 外と思われるかもしれませんが,アメリカの場合はアリューシャン列島とアラ スカに多く,ロシアの場合は千島列島とカムチャッカ半島に集中しているから です.なお,ここで気をつけなければならないのは,活火山の定義が国によっ て異なることです.日本では過去2000年間に噴火した火山+地熱活動の活発な 火山を「活火山」と呼んでいますが,国際的にはおおよそ過去1万年間に噴火 した火山が活火山として認識される傾向にあります.上に挙げた数は,後者に もとづく数え方です.ときには100万年以上におよぶこともある火山の長い寿 命を考えると,日本における2000年間という枠はやや狭すぎると考える人が多 くなってきています.また,上に挙げた活火山の中には,かなり疑わしい証拠 にもとづいて活火山とされているものがあり,また一方で活火山と思われてい なかった火山から最近の噴火の証拠が見つけられたりしています.さらに海底 にある火山の噴火史はまだほとんどわかっていません.さらに,火山は富士 山のようなきれいな形をした火山ばかりではなく,小さな火山ばかりの集合に なっているものもあるので,そういう火山をひとつひとつ数えるか,まとめて ひとつの火山とみなすかという火山の数え方自体が国や研究者によって異なっ たりしています.ですから上に挙げた数は,今後の研究の進展によって次々と 書き換えられていく性質のものであることも,ぜひ理解していただきたいと思 います.

小山真人(静岡大学教育学部,UniversityofNeuchatelスイス在住)


Question #71
Q 初めて質問します。死火山についてですが、中国地方にある大山と三瓶山は雄大で何度か登山したことがありますが、これらの火山の噴火する可能性はあるのでしょうか。ある雑誌では世界中に完全に死火山であると確認されている火山はないと書かれていました。 (4/21/98)

木村淳一:会社員:22歳

A
 私も含めて多くの方が,火山には活火山と休火山と死火山がある,と学校で 習ったおぼえがあると思います.ところが,意外にも現在では死火山や休火山 といった言葉を専門家はほとんど使いません.
 死火山とは,歴史時代に噴火記録のない火山あるいは今後噴火する見込みの ない火山のことをいいます.それに対して活火山とは,かつては,現在活動し ている火山の意味で使われていましたが,今日では最近2000年間に活動した火 山をさして使われます.またちなみに,休火山とは歴史時代に噴火記録がある けれども現在は活動していない火山のことをいいましたが,さきほどの活火山 の定義に含まれるようになったため,今日では使われません.
 さて,どうしてこのように活火山・休火山などの用語の使われ方が変わって きたのでしょうか.かつては,歴史時代に噴火していない火山はもう活動しな いだろうと思われたために死火山と呼ばれていました.ところが,1979年の御 岳山のように死火山と思われていた火山が噴火することがありました.また年 代測定法の進歩により火山の過去の詳しい活動史が多くの山で明らかとなって きました.その結果,火山には桜島のようにほぼ毎年噴火する山がある一方 で,千年や二千年に一度しか噴火しない火山や,数千年から数万年の休止期を 挟んで活動を再開する火山があることがわかってきました.
 さて,ご質問にもどりますが,大山や三瓶山は日本の活火山のリストには含 まれていません.しかし,数千年から二万年前以前は溶岩や火砕流を大量に放 出していた活動的な火山でした.今後大山や三瓶山が噴火する可能性がある か,と問われれば,ないとはいえません,ということになります.しかし,も し実際に噴火活動を再開するとすれば,その前に火山性の地震が頻発すると か,何らかの前兆現象があります.現在のところそのような兆候はないので, 近日中には噴火する可能性はない,といえるでしょう. (4/27/98)

星住英夫(工業技術院・地質調査所)


Question #154
Q 先日、北海道の駒ケ岳が噴火いたしました。TVで放映中、北海道には15の活火山が有ると報じておりました。 そこで妻と数えたのですが、15の火山名が思い浮かびません。疑問が消えません。恐縮ですがお教えください。 (11/3/98)

masasi tumura:自営業:50

A 知床硫黄山,羅臼岳,摩周,アトサヌプリ,雌阿寒岳,丸山,大雪山,十勝岳,樽前山, 恵庭岳,倶多楽,有珠山,北海道駒ヶ岳,恵山,渡島大島の15火山です. (11/5/98)

中田節也(東京大学・地震研)


Question #139
Q 日本には86の活火山が有ると聞いてます その中で霧島山ですが御鉢と新燃岳が噴火記録がありますが 火山群として一つの火山として数えられています 又 北海道の樽前山と風不死岳(活火山ではないですが)は隣同士の ように思いますが個々の火山となっているようです そこで火山群にするのか個々の火山にするのか決める基準が有りましたら 教えてください(上記火山の違いも出来ましたらそれぞれお願いします) 又 海外での基準も有りましたら実例を挙げて教えていただければ有り難く思います (例えばカムチャッカのクリチェフスカヤとカーメン ベズイミアンはスケールが 違いますが隣同士のように思えるのですが) 素人ですので質問に間違いがあるかもしれませんが宜しくお願いいたします (10/4/98)

松井:会社員:36

A
 「火山群」というのは,「地理的分布が近接し,同時代でかつ成因的にみて 親縁関係にあると考えられる複数の火山の集まり」に対して用いられている言 葉です.東伊豆単成火山群が最も典型例とされています.御指摘の風不死や樽 前火山は恵庭火山とともに,支笏カルデラ形成後(約3万年前)にできた火山 で,そのうち,最も若いものが樽前火山です.大きなスケールでは,すべてを 含めて支笏火山群と呼ぶことも可能です.実際に,この3火山は「世界の火 山」カタログでは支笏火山地域として一括されています.現在86個とされる活 火山は,火山群を含んだり単独の火山体を含んだりしています.これらは,ス ケール,地形,時代的に明瞭な区分があって,それぞれを,1「火山」として いるわけではありません.噴火ポテンシャルの高い86の火山地域があると理解 すべきでしょう.
 外国でも明瞭な区分がありません.「世界の火山」カタログでは複数群がっ ている火山をできるだけ少なくまとめる傾向にあるようです.御指摘の,カム チャツカの3火山は隣接した独立の大きな火山ですが,今のところ,それぞれ 単独の火山として扱われています. (10/7/98)

中田節也(東大・地震研・火山センター)


Question #244
Q 「日本に火山はいくつありますか。」と質問されたら、いくつあると答えたらいいのですか。これは、インドネシアの人から、「インドネシアには火山が多いけれど、日本にはいくつ火山があるのですか。」と聞かれて調べています。百科事典には、火山帯についての解説は載っていましたが、火山の数についてはのっていませんでしたので、お聞きします。 (7/4/99)

石川政春:教員:46

A いつの古さの火山にまでさかのぼって数え上げるかによって数は異なります.南米の アンデス山地では,百万年以上も前に活動を停止した火山であっても,今も見事な火 山地形を保存しています.逆にインドネシアのような多雨多湿の熱帯では侵食や植生 が激しいために,数百年前に活動した火山であっても,火山特有の地形を損なってし まっていることさえあります.この意味でも,単純に形の上だけから火山の数を比較 するのはあまり意味がないでしょう.

インドネシアの「活火山」は129個あります.このほとんどの火山はインドネシアで 記述記録がよく保存されているここ400年間に噴火したものです.日本の「活火山」 の数は気象庁では現在86としています.日本の「活火山」は,過去2000年間に活動し た経歴があるか,今も噴気活動のある火山のことです.しかし,将来噴火する可能性 のある火山はここ最近2000年間に活動した火山のみとは限りません.特に,カルデラ を作るような規模の大きな噴火は,噴火と噴火の間隔が数千年と長い傾向にありま す.このため,気象庁や関係機関ではこれまでの2000年の基準を1万年まで拡大しよ うとしています.1万年に拡大すると少なくとも日本の活火山はさらに数十個は増え るものと考えられます.正確な数は今後の詳しい調査(地質調査や年代測定など)を 待たねばなりません.残念ながら活火山のきちんとした定義は世界共通のものがまだ ないのです.ちなみに,平成11年度版の「理科年表」(国立天文台編,丸善)では 「日本のおもな火山」として144火山を上げています.

これに関しては過去の質問(No.9)に対する回答も参考にして下さい. (7/17/99)

中田節也(東大・地震研究所・火山センター)


Question #266
Q こんにちは。 先日、マレーシアの友人から、富士山は噴火しないのか、という質問を受けたのですが、 「確か富士山は、休火山だから大丈夫・・・?」 と思ったものの、休火山と活火山の定義の違いって、何なのでしょうか。 一般的に休火山とは、活動停止中の火山と聞きますが、何年以上活動停止していると休火山、 などの具体的な定義はあるのですか? また、休火山の場合、今後の噴火の可能性などはあるのでしょうか。 (9/3/99)

後藤:学生:24

A 「休火山」という言葉は火山学ではもはや使用しないことになっています.御質問の ように定義がいかにも曖昧だからです.富士山はここ300年ほど噴火をしていません が,れっきとした”活”火山です.噴火と噴火の間の休止期間は火山毎にまちまちで, 数年のこともあれば数千年のこともあります.また,ひとつの火山でも,ある一定の 休止期間をおいて噴火を活発に繰り返す時代とそうでない時代を持っていることが普 通です.関連して過去の質問(260番,244番,8番)の回答を参考にして下さい. (9/4/99)

中田節也(東大・地震研究所・火山センター)


Question #260
Q 夏休みの地理の自由研究で北海道の火山について調べる事にしましたがあまり調べる資料がなくて困っています。 現在中学一年生です。北海道には現在活火山はいくつありますか?休火山、死火山はいくつありますか? 火山にもいろいろあるようですが楯状火山、鐘状火山、円錐火山はどう違うのですか?でき方が違うのですか? 北海道の火山と本州や九州などにある火山との違いは何ですか?最後に火山とプレート、地震についての関連性 に付いて教えてください。お願いします。もうすぐ夏休みが終わってしまいます!! (8/19/99)

佐藤みゆぽん:中学一年生:13歳

A 北海道の火山については築地書店のフィールドガイド「日本の火山(3)北海道の火 山(高橋・小林編)」が参考になるでしょう.北海道には気象庁が決める活火山が15 あります.知床硫黄山,羅臼岳,摩周,アトサヌプリ,雌阿寒岳,丸山,大雪山,十 勝岳,樽前山,恵庭岳,倶多楽,有珠山,北海道駒ヶ岳,恵山,渡島大島です.休火 山という言葉はすでに死語で使われなくなってきています.火山の一生を考えると 「休んでいる」との定義があまりに曖昧すぎるためです.円錐火山はほぼ成層火山の 意味で,溶岩と火山砕屑物が積み重なり,中心ほどうず高くなって円錐状になったも のです.楯状火山はハワイのように,山の高さに比べて広がりの大きい緩い傾斜の火 山です.粘り気の低い溶岩からなる火山の特徴です.また,鐘状火山という言葉は火 山の分野ではもはや使いません.溶岩ドーム(円頂丘)のように,粘り気のある溶岩 からなるお椀(お寺の鐘)を伏せたような火山に用いられていました.北海道と日本 の他にある火山では特に違いがありません.カルデラを作るような火山が多い点では 九州に似ています.日本の火山活動は,海洋プレートの沈み込みに大きな原因があり ます.また,プレートの沈み込みによって巨大地震が起きます.また,一旦できたマ グマが地殻を上昇する時に火山性の地震が起きます.特に噴火の前に火山性の地震が 多くなります.このことについてもっと知りたければ,図書館や学校の図書室で火山 の本や辞典を調べてみましょう.大きな本屋さんにも分かりやすい解説書がいくつも おいてあるはずです. (8/24/99)

中田節也(東大・地震研究所・火山センター)


Question #1826
Q 火山帯について

 以前には、那須火山帯などの言葉で表現されていた火山帯が、現在は使用されていないとのこと、東日本火山帯、西日本火山帯などの言葉で表現されていると聞きました。地図には以前の言葉で記載されています。真偽をお知らせください。また、もし変更になっている場合はなぜ変更になったのか、そして、東日本火山帯、西日本火山帯の概要をお知らせください。

 さらに、活火山、休火山、死火山などの言葉も使用されていないと聞きました。子供たちへの指導に困っていますが、現在使用してよい正確な言葉とその概要をお知らせください。

      (07/28/01)

栃木 やしおつつじ:教員:?

A
 日本列島とその周辺域の火山の分布は基本的には太平洋プレートやフィリピン海プ レートの沈みこみに伴なうマグマの生成に支配されています。前者による火山地帯を 東日本火山帯,後者のそれを西日本火山帯と呼びます。マグマの発生場所は主に沈み 込んだプレートの深さに影響されるため,火山は帯状の地域に分布します。以前は単 に地理的な並び方だけを根拠にして,細かく火山帯を分けていましたが,細分しなけ ればならない学術的な根拠がないので現在は使われなくなっています。一部の社会科 地図上に古い呼び名が残っているのは,自然科学の進展を充分に把握していないため と思われます。


 休火山・死火山という言葉が火山学分野で使われなくなってからもう30年以上経過 していますが,依然としてこの言葉が使われている書物があります。火山噴出物の調 査が進み、科学的な手法で噴火年代が定量的に測定されるようになってくると,現在 何も表面に活動的な現象が見られない火山でも将来噴火が起こる可能性があることが 明らかとなってきました。つまり防災対応の視点で考えたとき,今活発に火山活動を 繰り返しているか,今は活動を休んでいるかの識別は無意味であることがはっきりし たわけです.活火山の定義は国によって違います。日本では過去大よそ2000年以内に 噴火があったことが古文書の記録や噴出物の学術調査で判る火山と,そうでなくとも 活発に噴気活動を行っている火山を活火山としており,その数は86あります. 2000年という限定では活火山を見逃してしまう恐れがあることが判ってきたのでいく つかの国では過去1万年以内の噴火履歴のある火山を活火山とするようになってお り,日本でもまもなく過去1万年という定義に改定される見込です.活火山でない火 山は死火山とはいわずに「その他の火山」と呼ばれます。
 (8/07/01)

宇井忠英(北海道大学・大学院理学研究科・地球惑星科学専攻)


Question #2062
Q 鹿児島県にある口之島には弱い噴気があると聞いていますがなぜ活火山の指定がなされないのでしょうか。 (12/24/01)

本田三延:電気工事業:57

A 確かにそうですね.私も昨年,トカラ列島の火山の地熱分布を測定する調査を京 都大学防災研究所の方といっしょに行いましたが,口之島の山頂部には弱い噴気 がありました.気象庁の活火山の定義にしたがえば,過去2000年以内に噴火 した火山,あるいは地熱兆候を持つ火山に該当しますから活火山でなくてはいけ ないはずです.昨年,気象庁の方に問い合わせたところ,気象庁では現在活火山 の定義を見直す作業を行っており,その中で口之島も活火山とみなされることに なるであろうとの返事でした.
 (1/15/02)

鍵山恒臣(東京大学・地震研究所・火山センター)


Question #2320
Q 最近、新聞等で活火山の定義が変更されると記事が載っていました。
そこで興味を持って、お尋ねしたいのですが。
現在から過去1万年前の間に活動した火山となってますが、何時活動
したのか不明な火山はどのようになるのでしょうか。
若い火山でも1万年前に遡って活動してなければ、活火山の対象から
外れるのでしょうか。 (06/15/02)

石見の住人:公務員:28

A 気象庁では来年度から活火山の判定基準として、最新の噴火活動がおおよそ1万年以内 か否かとする予定です。噴火判定のためには、観測事例や古文書の記載がないときは 火山噴出物の噴火年代測定を行うことになります。しかし、噴出物の地質学的な調査 研究が不十分であったり、年代測定を行うのに適切な測定試料が採取しにくい場合に は、地形などから判断して恐らく1万年以内に噴火があったに違いないが年代が求めら れていないケースが出てきます。これらは今後調査研究成果が出てきたところで追加 認定されるでしょう。

今回発表になった気象庁の活火山の定義は、防災上の見地から今後火山噴火の可能性 のある火山を活火山として指定し、観測を行い防災対策を講じるためのものです。日 本の火山は噴火と噴火の間の休止期間が比較的長いケースが多いのですが、1万年まで 遡って観測対象としておけば、活火山としなかった火山が噴火してしまうケースは殆 どないと思われます。
 (06/16/02)

宇井忠英(北海道大学大学院・理学研究科・地球惑星科学専攻) --


Question #2913
Q 先日 鹿児島県姶良郡蒲生町の米丸地区と住吉池が火山として指定される
と新聞で知りました
住吉池は火山の火口あとだと言う事は知っていましたが
米丸地区が火山の火口跡とは思いませんでした
今後火山活動はどのように起こるのか
危険性など教えていただけませんでしょうか
親戚がたくさん住んでおり実家も近くなので心配です

(10/13/02)

めりけんこ :会社員:31

A
 気象庁では,活火山の定義を「噴火記録のあるもの,または,噴気活動が活発なも の」というものから,「約1 万年以内に火山活動があったと思われる火山」とする改 訂作業(2003年2月を期限)を行っています(Question#-2320などを参照して下さい ).「噴火記録のあるもの」というのは,「過去2千年以内に噴火したもの」と解釈さ れてきましたので,1万年前から2千年前の間に噴火した火山が,今回の改訂で活火山 に加わることになります.鹿児島県で候補にあがっているのは,「米丸・住吉池」, 鹿児島湾海底にある「若尊(わかみこ,通称タギリ)」,「池田・山川の火山群」, 「口之島」の4ヶ所です.新たに活火山に加わると言っても,火山活動が最近活発に なったからというわけではなく,過去に噴火があったという事実から指定されるだけ ですから,今後の活動予測みたいなのは,特にはないと思います.
 米丸・住吉池の7500年前の噴火活動については,このQ&AのQuestion#-94と201をご 覧いただくとして,この地域には,もう1ヶ所,青敷火山というのがあります(「日 本の第四紀火山カタログ」の火山データベースを参照して下さい).青敷火山の噴火 年代は,10万年くらい前とする説と30万年より古いという説があります.これらのこ とから,この地域で起こる噴火の頻度は,それほど大きくないと考えられますが,い かがでしょうか.
 (10/21/02)

井村隆介(鹿児島大学・理学部・地球環境科学科) --


Question #4142
Q こんにちわ!いきなりですがご質問します。いったい、世界にはいくつの火山があるのですか?そのうち日本にはいくつの火山があるのですか?あと、火山の種類について教えて下さい。

  (08/15/03)

プリクラ大好き!!:中学生:134-0088

A
 ここでは最近1万年間に噴火したことのある火山「活火山」についてお答えします。
 「陸上(近海を含む)」の活火山は世界では恐らく1500個を越えると考えられ ています。日本にはその内108個あります。しかし、海の底には数え切れないほど (恐らく万の単位)の活火山が存在します。地球の表面に噴出するマグマの3/4近 くが海の底(主に中央海嶺)で噴出しているからです。
 火山の種類はどのような基準を使うかによっていくつかあります。例えば、主に形 から言う場合は、複合火山、成層火山(複成火山)、カルデラ火山、盾状火山などが あります。さらに、小さい火山では、溶岩ドーム(溶岩円頂丘)、火砕丘などだけか らなるものもあります。でもこれらの種類は独立のものではありません。成層火山で ありながらカルデラ火山であることや、溶岩ドームを持っているものもあります。ま た、火山噴出物が作る地形としては火砕流台地や溶岩台地などもあります。火山を成 因的に言う場合には、単成火山、複成火山という言い方もあります。
 (08/16/03)

中田節也(東京大学・地震研究所・火山センター) --


Question #4140
Q 独立峰火山とはどんな火山のことを言うのですか?詳しく教えてください。 (08/14/03)

スヌーピー:学生:15

A 「独立峰」の山が火山である場合に独立峰火山と呼ばれているようです。周囲の山か らは分離し、独立した高まりを作っているという意味です。日本の多くの火山が独立 峰と呼ばれています。例えば、羊蹄山、鳥海山、富士山、由布岳などもそうです。独 立峰火山は成因的には必ずしも独立した火山ではなく、複数の火山が複合して成長し た火山の場合もあります。例えば、富士山は小御岳火山の上に乗っかるようにして成 長した「独立峰」です。
 (08/16/03)

中田節也(東京大学・地震研究所・火山センター) --


Question #5392
Q 昔、誕生日に諏訪瀬島の火山アルバムを買ってもらってからの火山ファンで、今も活火山はほとんど言えます。
房総半島または関東の千葉県、茨城県には、火山は無いのでしょうか?
もちろん太古の大陸の成り立ち的な時期で言えば、地球上の全てがマグマによる大陸形成といえますが、そういう意味ではなく、現在の火山と言われる、または火山であった
と認められる地形はあるのでしょうか?

(12/19/03)

ケン:社会人:37

A
 まず,活火山(ー過去1万年間に噴火したり,現在活発な噴気活動のある火山のこ とですね−)は,千葉県,茨城県には一つもありません.関東地方の活火山は那須,日光,赤城,榛名,浅間,箱根,伊豆大島,三宅島,八丈島を連ねた線よ りも西側に分布しています.この線を火山フロントとよんでいます(No.5378の質問の答えを参 照してください).
 では過去には火山はなかったのでしょうか?
 千葉県銚子付近にはおよそ2100万年前に安山岩(古銅輝石安山岩)が噴出したこと,茨城県内では大子南東の男体山が1千数100万年前の海底火山で あったことがわかっています.ただ,いずれも現在我々が見ている火山とは化学組成や噴出様式が異っていたようです.
 (地質学的にみて)近い過去,近い将来に両県で火山活動はないようです.
 (12/29/03)

津久井雅志(千葉大学・理学部・地球科学科)