わかりにくい回答をしていまい,失礼をいたしました. このように,回答
に対する質問も歓迎しております.
重力測定とは,重力の強さ(や方向)を測ることです.また,低重力異常と
は,重力の強度が周囲よりも低くなっていることをいいます.(重力異常とい
っても人に体で感じるほど違う訳ではなく,ごくわずかなものです).重力異
常の主な原因としては,その土地の地下を構成する岩石の密度に違いにありま
す.すなわち,地下に密度の高い岩石があれば重力は強く,密度の低い岩石が
あれば重力は弱くなります.
さて,三瓶火山は,4×6kmほどの凹地(三瓶カルデラ)とその内側の溶岩ド
ーム群からなります.このカルデラについて重力測定を行ったところ,はっき
りとした重力の低異常がみつかりました(小室ほか,1996).すなわち,三瓶カ
ルデラは地表に凹地形があるだけではなく,基盤をなす花崗岩にもへこみがあ
り,そのへこみを密度の低い火山岩が埋めているのです.その低異常の地域の
広がりは四角い形をしていました.なぜ,四角いのかについては,はっきりし
たことはわかっていません.1つの案としては,カルデラができる前にマグマ
の上昇によってこの地域一帯に隆起が起こり,その時にブロック状に陥没が起
こったためではないか,と小室ほか(1996)では推察しています.
(7/21/98)
星住英夫(工業技術院・地質調査所・地質部)
|