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小中学生から多い質問
「Q&A火山噴火」
に寄せられた意見集
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Jan. 2012. The Volcanological Society
of Japan.
kazan-gakkai@kazan.or.jp
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噴火をとらえる
熱流量測定・熱異常 |
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Question #106
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Q |
地殻熱流量の地域分布に関して教えて下さい。
地殻熱流量分布について学習した際、中央海嶺で熱流量が高い理由や海溝域で低い理由などは理解できたのですが、日本海に代表されるような
縁海でもかなり高い熱流量がある理由が良く分かりませんでした。そこで、この理由についてお教え下さい。よろしくお願いします。
尚、基礎知識として、地殻熱流量の熱源が@地球形成期に解放される位置エネルギーA放射性元素の壊変に伴うエネルギー等である事は知っております。
(7/24/98)
地物か地質進学を目指す受験生:予備校生:19
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A |
地殻熱流量は中央海嶺で高いだけでなくそこから遠ざかって海底の年齢が古
くなるにつれて低くなることが古くからわかっています.生まれたばかりの海
底は温かく古い海底は冷たいというわけです.日本海は約千五百万年前に拡大
したことがわかっています.ですから熱流量もそれなりに高いことになりま
す.
ところで日本海に限らず私たちの身近なところでも変動は今も続いていま
す.沖縄トラフが拡大したり,その北部に当たる九州や九州西部の海底などで
もまだ詳細はわかっていませんが変動が起こっており,その結果のひとつとし
て地溝やカルデラ,火山活動なども理解されつつあります.「現実は教科書よ
り奇なり」です.がんばってください.
(8/3/98)
鍵山恒臣(東京大学・地震研究所)
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Question #4016
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Q |
明神カルデラのほぼ上で、海面水温の測定をしました。そしたら、海面水温がほかの場所より海面水温が高かったのですが、カルデラは海面水温に影響を与えるのでしょうか?教えてください。
(06/18/03)
ぺこ:学生」:22
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A |
場所が間違いなく、明神海丘(概位 32°06′N 139°51′E)であるとして、
1997・1998年に行われた「しんかい2000」による調査(JAMSTEC 深海研
究 第14号 1998)では、カルデラ床(水深約1200m)などにある高さ30mに達
するチムニーから最高温度278℃のブラックスモークが噴出されていることが報告さ
れています。
この熱水がそのまま、海面まで上昇すれば、海面水温が高くなるでしょう。しか
し、カルデラ床の水深が1200mほどなので、上昇するうちに拡散し、高温の状態で海
面には、達しないと考えられます。
また、明神海丘から南東約15海里にある明神礁にて、当部が1998年に無人測量
艇「マンボウ II」による調査を行いました。その際の測深では、明神礁の最浅部
は、水深50mということがわかり、表面水温の観測では、特に水温が高いという場所
は、ありませんでした。
外海において、局所的に表面水温が高い場所があるようで、今回の質問にある現
象の原因の一つと考えられますが、さらなる検討のためには、観測日時・位置や、周
囲の海水とは、どこを指すのか、何度高かったのかといった情報が必要です。
(06/24/03)
笹原 昇(海上保安庁・海洋情報部技術・国際課)
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