19さん
学校で火山のことを勉強しているようですね.とても良いことです.せっかく火山に
興味をもった機会ですので,是非とも本を読んでみて下さい.噴火の被害とその防ぎ
方については,以下の本にくわしく書かれています.高校生(中学ですか?)にも理
解できる部分がたくさんあります.
宇井忠英(編) 「火山噴火と災害」東京大学出版会¥3700
ISBN4−13−060717−0
公共の図書館などにもあると思います.この本に書かれているように,火山の災害に
は実のたくさんの種類のものがあります.ですからそれから身を防ぐ方法も,災害の
種類に応じてたくさんあるのです.また,火山には個性があって,それぞれの火山毎
に災害の種類に特徴があります.ですから,ひとつひとつの火山の個性をちゃんと日
頃から調査しておくことがたいへん重要です.次に長野県のまわりに火山がどれだけ
あるかということですが,以下の本に日本の火山の分布が書かれています.
国立天文台編「理科年表」丸善
地学団体研究会編「新版地学事典」付図付表
気象庁「日本活火山総覧(第2版)」
学校か公立の図書館で上の本がないか尋ねてみて下さい.特に「日本活火山総覧(第
2版)」には,日本の活火山83個について噴火の歴史まで書かれていてたいへん勉
強になると思います.それを見るとわかるように,長野県とその近傍には,草津白根
,浅間,新潟焼,妙高,弥陀ヶ原,焼岳,乗鞍,御岳と,8つの活火山があるのです
.
上にあげた本には,それぞれの火山のマグマが固まってできた火山岩の名前,または
二酸化珪素(SiO2)量が書かれています.これが,その火山の噴火の特徴を決定する
もっとも大事な要素です.三宅島と有珠とでは,それがちがっていることがわかると
思います.信州のまわりの8つの火山はどちらのタイプになるでしょうか?調べてみ
て下さい.
ところで,これだけ調べたらせっかく火山の近くに住んでいるのですから,行って見
たくなりますよね.そうしたら,次の本を手にもって実際に行ってみましょう.
高橋正樹・小林哲夫(編)
「フィールドガイド日本の火山」E中部・近畿・中国の火山」築地書館¥2100
これには焼岳・乗鞍・御岳が載っています.同上の@「関東・甲信越の火山T」には
浅間・草津白根・妙高が載っています.また,同上のA「関東・甲信越の火山U」に
は新潟焼・八ケ岳が載っています.で,わからないことがあったら,松本の信州大学
理学部の私を訪ねてください.
(8/3/00)
三宅康幸(信州大学・理学部・地質科学教室)
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