English
会員ログイン
ロゴ

日本火山学会賞 (Volcanological Society of Japan Award)

第13号 小山真人

受賞対象

「伊豆弧北部の火山およびテクトニクスの研究と日本の火山文化形成に対する顕著な貢献」

授賞理由

 小山氏はキャリアの初期において、真鶴マイクロプレートの存在を提案し、伊豆東部火山群が単成火山群である理由を説明するなど、伊豆北部の火山についてテクトニクス的な視点に立った現代的な解釈を行った。その後は、伊豆大島火山について、中村一明氏による古典的な業績を改訂したほか、富士火山についても1707 年宝永噴火に関する古文書の検討を通じて、噴火の推移や噴煙高度について制約を与えることに成功した。 以上のような伊豆北部地域の火山における顕著な学術的業績にくわえ、小山氏は火山学の一般普及のために精力的な著作活動や、各地の火山ハザードマップ検討委員会委員などとして火山防災行政への貢献を行ってきた。こうした一連の活動の背景には、一般市民が火山の脅威と同時に恵みにも着目することが、火山への親しみを深め、結果的には火山防災を大きく前進させるとする氏の思想があり、この考え方は、各地の火山ハザードマップ作成事業などを通じて、日本の火山防災行政に大きな影響を与えている。
 以上の理由から、日本の火山学の発展に対し長年において特段の貢献があった小山氏を2023年度日本火山学会賞授賞者とする。

TOP
Copyright © 2024 The Volcanological Society of Japan All Rights Reserved.