日本火山学会賞 (Volcanological Society of Japan Award)
第02号 荒牧重雄
受賞対象
「わが国における火山地質学の発展および火山学の社会的普及に対する貢献」
授賞理由
受賞者の我が国と世界の火山における地質学的研究は日本だけでなく世界的にも高い評価を受けている。膨大な量のデータに基づく浅間火山の研究は、テフラ層序まで視野に収めた火山地質学の研究として、当時、世界的に見ても画期的なもので、姶良カルデラと入戸火砕流に関する研究もあわせて国際的に高い評価を得た。また、浅間火山の研究において「火砕流」の名称と概念を世界にさきがけて提唱したことは特筆に値する。一方、受賞者は富士火山ハザードマップ検討委員会や山梨県環境科学研究所の所長として、地元の富士山噴火対策や富士山を取り巻く自然環境問題対策など日本の多くの火山において火山学の社会的な普及や火山防災意識の向上に努めてきた。 日本火山学会会長、国際火山学地球内部化学協会 (IAVCEI) 会長を歴任し、長年にわたるわが国のみならず世界の火山学に対する貢献と業績は、日本火山学会賞にふさわしいものであると認められる。