日本火山学会論文賞 (Best Paper Award)
第03号 為栗 健・他
対象論文
Takeshi Tameguri, Masato Iguchi & Kazuhiro Ishihara (2002)
Mechanism of explosive eruptions from moment tensor analyses of explosion earthquakes at Sakurajima Volcano, Japan.
Bull.Volcanol.Soc.Japan,
47, 197-215.
doi: 10.18940/kazan.47.4_197.
授賞理由
本論文においては、桜島火山の爆発的噴火に伴う地震に関して、時間変化するモーメントテンソルを用いて、噴火のメカニズムを明らかにした。すなわち、噴火中に起きた、火道上部にあるガスポケットの膨張や収縮と地震・空振の発生の時空関係を見事に解明した。これは言うまでもなく、桜島火山における著者らの長年にわたるすぐれた観測結果を背景になされた研究である。手法自体はパイオニア的ではないものの、良質の観測データに加えて解析された結果は世界的にも高いレペルにあると認められる。よって、本論文の火山学に対する貢献度は大きいと判断され、日本火山学会論文賞に値するものである。