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日本火山学会論文賞 (Best Paper Award)

第28号 萬年一剛・行竹洋平・菊川城司・原田昌武・板寺一洋・竹中 潤

対象論文

Kazutaka Mannen, Yohei Yukutake, George Kikugawa, Masatake Harada, Kazuhiro Itadera, Jun Takenaka (2018) Chronology of the 2015 eruption of Hakone volcano, Japan: geological background, mechanism of volcanic unrest and disaster mitigation measures during the crisis. Earth Planet Space, 70, 68, doi:10.1186/s40623-018-0844-2.

授賞理由

 箱根火山における2000年以降の数回の活動活発化及び2015年の水蒸気噴火をもとに、マグマ貫入-マグマ流体供給のモデル化を通じて地震・地殻変動・地熱活動の推移の統一的理解を目指した成果であり、水蒸気噴火の研究として欠かせない成果である。
 とくに2015年の噴火推移を、筆者らの観察・観測に基づいて、また筆者らの過去の研究成果を含んだ多様なデータを組み合わせて、詳細かつ丁寧に時系列的にまとめており、それを用いたモデル化は火山学の進展に必要不可欠な研究であり、今後の同様の研究の手本になるような研究と考えられ、噴火過程を研究する研究者の多くにとって有用な論文である。
 さらに、単に噴火の経緯を時系列で記載するだけでなく、防災対応がどのように行われたかや、地下構造や水蒸気噴火の発生メカニズムに関する議論もなされており、ごく小規模な噴火にも拘わらず、詳細かつ多様な議論が盛り込まれている点でも貴重であり、優れている。
 以上の理由から、本論文を日本火山学会論文賞とする。

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