日本火山学会論文賞 (Best Paper Award)
第31号 寺田暁彦・神田 径・小川康雄・山田大志・山本 希・大倉敬宏・青山 裕・筒井智樹・鬼澤真也
対象論文
Akihiko Terada, Wataru Kanda, Yasuo Ogawa, Taishi Yamada, Mare Yamamoto, Takahiro Ohkura, Hiroshi Aoyama, Tomoki Tsutsui & Shin’ya Onizawa (2021) The 2018 phreatic eruption at Mt. Motoshirane of Kusatsu–Shirane volcano, Japan: eruption and intrusion of hydrothermal fluid observed by a borehole tiltmeter network.
Earth Planet Space,
73, 157,
doi:10.1186/s40623-021-01475-4.
授賞理由
傾斜変動の解析を基本としながら、地震発生場との比較、噴煙映像に基づく熱放出過程の解析との比較など、地下・地表現象を対象とした多項目観測に基づき、2018年本白根噴火の発生場をふまえた包括的モデルを提示した。傾斜データから地下で動いた熱水量を評価するとともに、気象レーダを使用して放出された熱水量の見積もりも行い、地下の熱水系の物質とエネルギー収支から現象を考察した新規性に富む論文である。
以上の理由から、火山学に関する独創的で特に優れた本論文を2022年度日本火山学会論文賞とする。