日本火山学会研究奨励賞 (Young Scientist Award)
第08号 並木敦子
研究課題
「気泡を含む粘弾性流体アナログ物質を用いたマグマの発泡・破砕・噴火過程の研究」
選考理由
マグマの上昇減圧による気泡の形成・成長からマグマの破砕や脱ガスに至る過程は、噴火ダイナミクスを規制する主要な要因であるが、地下で起きるこれらの現象を我々は直接的に観察・観測することは非常に困難であり、噴火過程の理解を妨げてきた。並木さんは、発泡させたゲル状物質などのアナログ物質を用いた実験を行いマグマ中の気泡の膨張による減圧破砕過程を可視化しつつ定量的に解析したことにより、噴火過程の理解を進め火山学に大きな貢献をしており、研究奨励賞に値すると考える。
主要な研究業績
- Namiki, A. (2003) Can the mantle entrain D″?. J. Geophys. Res., 108(B10), 2487. doi: 10.1029/2002JB002315.
- Namiki, A. and Manga, M. (2005) Response of a bubble bearing viscoelastic fluid to rapid decompression: Implications for explosive volcanic eruptions. Earth Planet. Sci. Lett., 236, 269-284. doi: 10.1016/j.epsl.2005.02.045.
- Namiki, A. and Manga, M. (2006) Influence of decompression rate on the expansion velocity and expansion style of bubbly fluids. J. Geophys. Res., 111(B11), B11208. 10.1029/2005JB004132.