日本火山学会研究奨励賞 (Young Scientist Award)
第13号 鈴木由希
研究課題
「噴火のマグマダイナミクスに関する物質科学的研究」
選考理由
受賞者は、結晶や気泡の組織、結晶やガラスの化学組成、揮発性成分量を詳しく調べることにより、個々の噴火におけるマグマ上昇速度の変化や停滞に関する履歴を抽出し、噴火に先行するより深部でのマグマ過程についても議論した。また、複数種の結晶やその組成も制約条件に取り入れた溶岩組織・組成の実験的再現研究を行い、時間・減圧速度に関する解析精度の向上をはかった上で、マグマ上昇に関する物質科学的情報と地球物理観測結果を統合した噴火過程の研究を行った。今後の大きな活躍が期待できる。
主要な研究業績
- Suzuki, Y. and Nakada, S. (2007) Remobilization of highly crystalline felsic magma by injection of mafic magma: Constraints from the middle sixth century eruption at Haruna volcano, Honshu, Japan. J. Petrol., 48(8), 1543–1567. doi: 10.1093/petrology/egm029.
- Suzuki, Y., Gardner, J. E., and Larsen, J. F. (2007) Experimental constraints on syneruptive magma ascent related to the phreatomagmatic phase of the 2000AD eruption of Usu volcano, Japan. Bull. Volcanol., 69, 423–444. doi: 10.1007/s00445-006-0084-3.
- 鈴木由希 (2006) 結晶作用から見た噴火時のマグマ上昇 : 最近の減圧実験による発展. 火山, 51(6), 373-391. doi: 10.18940/kazan.51.6_373.