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日本火山学会研究奨励賞 (Young Scientist Award)

第17号 鈴木雄治郎

研究課題

「大規模シミュレーションに基づく噴煙ダイナミクスの解明」

選考理由

 火山噴火の発生過程や拡散過程を理解するためには、噴煙ダイナミクスの理解が重要であるが、噴煙は複雑な物理過程や地形・風等の場の状況にも依存するため定量的なモデル化が困難であった。鈴木雄治郎氏は、大規模シミュレーションに基づく火山噴煙ダイナミクスの研究を行い、噴煙の挙動を支配する物理過程の解明と現実の噴煙を再現できる数値モデルの開発に成功した。噴煙モデルにおける乱流混合過程の評価に関する研究では、従来の仮定を用いずに乱流混合を再現する高空間分解能の3次元数値モデルを開発し、そのモデルを大規模並列計算に拡張することにより、1991年ピナツボ噴火の噴煙拡散過程を再現した。また、これらのモデルに基づき、火口の条件から噴煙高度や拡大率を瞬時に推定する手法を提案しており、防災等への応用も期待される。これらの成果は基礎科学と防災への応用の両面において重要であり、2011年度日本火山学会研究奨励賞に相応しいと判断する。

主要な研究業績


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